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戦没者遺骨収集事業(ビスマーク・ソロモン諸島)

  • ビスマーク・ソロモン諸島現地調査(第3次派遣)活動報告書

平成30年10月18日
茨城県隊友会 小野道明

  • 1 成果の概要
    • (1)期間
      • 当初の計画:平成30年9月15日()~29日()
      • ( 実行動上:平成30年9月15日()~30日() )
    • (2)調査地区
      • ソロモン諸島ガダルカナル島及びマライタ島
    • (3)主要活動内容
      • ア 丸山道における遺骨収容
        イ 現地広報
        ウ 遺骨引渡し式への参加
    • (4)編成
      • 団長以下15名の日本人と現地人をもって調査隊を編成し、任務を3個班のグループに分け活動を実施した。
      • ア 日本人参加者(15名)の内訳
        • ・日本戦没者遺骨収集推進協会(JARRWC) 3名(団長含む)
          ・日本遺族会 3名
          ・全国ソロモン会 6名
          ・日本青年遺骨収集団 2名
          ・隊友会 1名
      • イ 現地参加者の内訳
        • ・現地通訳 3名
          ・現地遺骨鑑定人 1名
          ・現地警察官 3名
          ・現地調査協力者(バラナ村31名、アンドウ村適宜の人員)
          ・現地ドライバー等
    • (5)各班グループの編成と任務
      • ア 第1班:タンブハ地区における遺骨調査
        • 日本人8名、通訳1名、鑑定人1名、警察官3名、バラナ村協力者31名
      • イ 第2班:コロブブ・ブロ川・モカヒル・野戦病院周辺における遺骨調査
        • 日本人4名、通訳1名、アンドウ村協力者数名
      • ウ 第3班:マライタ島・ガダルカナル島の情報収集活動
        • 日本人3名、通訳1名
  • 2 細部の活動状況
    • (1)成田空港から現地ホニアラ市ホテル到着まで
      • ア 9月15日(土)
        • ・1730に成田空港(第2ターミナル本館4階待合室)に集合
          ・結団式
          ・2135成田空港発(パプアニューギニア経由ホニアラ空港)
      • イ 9月16日(日)
        • ・1215ホニアラ空港着
          ・夕食後、故盛一氏が使用していた部屋で慰霊祭を実施

    • (2)現地調査準備(第1班グループの関係のみ記述)
      • 9月17日(月)
        • ・3名(崎津、河合、小野)により丸山道ジャングル奥地にあるキャンプ予定地(タンブ)の地域偵察を実施
          ・車両で現地へ前進したが途中で移動困難となり、下車して徒歩によりキャンプ予定地へ前進し、じ後細部の内部配置を概定
        • ・帰路、車両の故障(四駆走行困難)と路面状況が悪いことから、途中まで車両で移動した後、車を残置し全員徒歩での移動、その間に日没を迎え夜間行進となる。
        • ・ホテル側に要求して救援用の車両を手配、なんとか合流して時間が大幅に遅くなるが無事ホテルに到着
        • ・教訓事項として半日程度の活動と見積もられてもジャングル内では不測事態を常に考慮した携行品の準備が必要、特に予備糧食、水、夜間照明装備(懐中電灯)
    • (3)現地調査活動(第1班グループ関係)
      • ア 編成:第1班グループの現地調査における細部編成を本部と4個小隊に細分化し、現地人と一緒に遺骨の調査を実施
        • ・本部班(3名:協会、通訳、現地鑑定人):調査地区のマーク、遺骨の鑑定
          ・第1小隊(10名:日本2名、現地人8名):調査及び遺骨収容
          ・第2小隊(10名:日本2名、現地人8名):調査及び遺骨収容
          ・第3小隊(10名:日本2名、現地人8名):調査及び遺骨収容
          ・第4小隊(7名:小野、現地人6名):調査及び遺骨収容
          ・その他:現地警察官(3名)は、適宜の小隊の位置へ同行
      • イ 9月18日(火)
        • ・親善式をバラナ村広場(現地調査協力者の村)で実施し、必要な資材等を村に配分、じ後参加者全員車両に乗車してキャンプ地へ移動
        • ・移動途中においてジャングル山間部の道路状況が悪く、予定より到着時間は遅くなった。キャンプ地の設営(テント、野外トイレ、野外シャワー施設)を優先して作業を実施。その後、キャンプ地宿営組とホテル移動組の二組に分け活動を終了。キャンプ地への宿営は、日本人3名(団長、崎津、河合)とバラナ村現地調査協力者15名で実施した。

      • ウ 9月19日(水)
        • ・本部班及び4個小隊の編成をもって現地調査を実施。各小隊は、それぞれ調査地域を選定して調査活動を個々に実施した。
          ・第4小隊として活動を実施。当日の活動結果は、主要調査個所3ヵ所をマーキング。飯盒や防護マスク吸収缶などの金属片のみの発見で終了した。
          ・私を含めて日本人4名がキャンプ地に宿営した。予想以上に虫が少なく、天幕内はスリーピング一つで暑くも寒くもなく快適に過ごすことができた。
      • エ 9月20日(木)
        • ・第4小隊として昨日に同じく現地調査活動を実施し、主要調査個所3ヵ所をマーキング。小銃弾数発と靴底のスパイクの金属片のみの発見で終了した。
          ・キャンプ地の日本人の宿泊なし(全体ミーティングのため全員ホテル泊)
      • オ 9月21日(金)
        • ・第4小隊として活動し、ジャングル内の山を登りきり反対側下り斜面を新たに調査、小調査個所2ヵ所をマーキング。そのうちの一ヵ所で人体の頭部の一部及び大腿骨などの遺骨を発見した。
          ・当日の作業終了後、遺骨をホテルの仮安置所へ収容した。
        • ・キャンプ地に日本人3名宿泊
      • カ 9月22日(土)
        • ・第4小隊として活動し、昨日遺骨を発見した場所を更に調査して残りの遺骨を発見しホテルの仮安置所へ収容した。
        • ・キャンプ地の日本人の宿泊なし(翌日休養日のため全員ホテル泊)

      • キ 9月23日(日)
        • ・休養日としてホテルで個人の身体の手入れを実施した。疲れが丁度たまったところでもあり、ゆっくり休養し体調が回復できた。
          ・昼から25日に行われる遺骨の引き渡し式の予行をホテル前広場で実施した。
          ・第4小隊として活動し、新たな地域を調査、頭部の一部、歯、大腿骨などの遺骨を発見し、ホテルの仮安置所へ収容した。
        • ・キャンプ地の日本人の宿泊なし(翌日の遺骨引渡し式に全員参加のためホテル泊)
      • ク 9月24日(月)
        • ・第4小隊として活動し、新たな地域を調査、頭部の一部、歯、大腿骨などの遺骨を発見し、ホテルの仮安置所へ収容した。
        • ・キャンプ地の日本人の宿泊なし(翌日の遺骨引渡し式に全員参加のためホテル泊)
      • ケ 9月25日(火)
        • ・海上自衛隊への遺骨引渡し式に参加した。式には、現地調査の要員15名のほか、
          遺骨収集派遣の要員11名と合同で参加した。来賓には、日本大使館の大使他多数の現地在住日本人及び遺骨収容に協力した現地住民が参列し、盛大に執り行われた。

      • コ 9月26日(水)
        • ・前日夕方から夜間にかけて雨が降り、ジャングル内の道路状況が悪く車両でのキャンプ地進入を取り止め、調査地域をタンブハ地区ではなく車両で進入できるアウステン山周辺地域(日米が戦闘した地域)に変更し調査した。調査中も雨が断続的に降り続き、2ヵ所を調査したが遺骨の発見にはいたらなかった。
        • ・キャンプ地の日本人の宿泊なし(キャンプ地への移動困難のため)
    • (4)キャンプ地の撤収作業(第1班グループ関係)
      • 9月27日(木)
        • ・この日は、キャンプ地の撤収作業の日であったが、道路状況が悪いため撤収作業に当たる人員を選抜し、日本人3名(小林、崎津、小野)で現地へ進出し、キャンプ地に宿泊している現地人と撤収作業を実施した。キャンプ地への移動は、当初車両で行けるところまで行き、途中から徒歩で前進した。当日は天気が良く昼になって道路状況も良好となり車両がキャンプ地近くまで進入できた。宿営資材等を車両に積載してホテルへ帰ることができた。
    • (5)慰霊巡拝
      • 9月28日(金)
        • ・資材片付け組と慰霊巡拝組の2個班に分かれ作業を実施した。慰霊巡拝に参加し、旧日本軍の鬼怒川丸が海岸付近に座礁し、その残骸が残っている地区及び2師団が飛行場を攻撃した経路上のムカデ高地(現在2師団の慰霊碑が建立されている場所)を巡り、英霊を慰霊した。
        • ・1500から日本大使館を表敬訪問(各団体の代表者1名を基準に参加)し、団長が現地調査についての成果の概要等を報告した。

    • (6)ソロモン諸島から日本への帰国
      • 9月29日(土)~30日(日)
        • ・前日に帰る予定の航空機が事故を起こし航空機が欠航となり、帰りの航路を変更し、パプアニューギニア、シンガポール、マレーシア経由で帰国した。
          • 0720メンダナホテル発
            0950ソロモン諸島(ホニアラ空港)発
            1410パプアニューギニア(ポートモレスビー空港)発
            2115シンガポール空港発
            2330マレーシア(クアラルンプール空港)発
          • 0740成田空港に到着
        • ・成田空港到着後に解団式を実施
        • ・派遣団解散

  • 3 教訓事項
    • (1)マラリア対策として、長袖、長ズボンは有効であった。室内は、必ず蚊取り線香をたいておくことが必要。
    • (2)体調管理には注意をしていたが、現地到着後約1週間過ぎた頃、お腹の調子が悪くなった。携行した正露丸が役に立った。
    • (3)暑さ対策として、ハッカ成分のある液剤が、清涼感を感じることができ作業中に使用して役にたった。
    • (4)作業着は最低2着、できれば3着必要である。汗でびしょ濡れになるため毎日交換が望ましく、ホテルのクリーニングを活用した。また下着は、速乾性のものがよく毎日洗濯し室内で乾燥させて使用した。
    • (5)作業間、突然の雨が幾度となく降り、常に雨具(ポンチョ)の携行が必要であった。
    • (6)今回医薬品管理を担当し、作業間個人携行用の救急医療セットを携行したが、現地調査協力者がブッシュナイフ(大型の鎌)で切り傷を作り、その処置に大いに役立った。
  • 4 第3次派遣隊における感想
    •  今回は本格的にジャングル内で現地ソロモン人との共同作業を実施して遺骨の現地調査を行った。作業当初お互いに初めて顔を合わせたため、やや遠慮気味なところもあったが同じ組み合わせで毎日作業を実施しているうちに、日ごと親近感が深まり作業の進捗もスムーズとなった。
    •  日々の作業においては、雨が道路状況を悪くし、移動時間がかかり作業そのものを遅延させる要因となっていた。また現地人の時間概念や習慣から、ソロモンタイムと言われ時間がゆったりと流れているところもあり、日々状況に応じた作業判断が求められた。
    •  今回の経験を通じて、現地調査に参加する人に求められる必要な素養として以下の3つのことが重要と感じた。
      • ①現地協力者とのコミュニケーション能力(多少の語学と相手の文化風習に対する理解)
        ②状況の変化に対応できる柔軟性と状況判断能力
        ③自己管理能力(健康管理を含む)と体力
    •  第1次派遣では、活動時間が少なかったが、今回は十分に活動時間が取れ、よい経験ができた。今後、作業を効率に実施するために改善すべき事項については、事前の準備会議等で意見を述べ、次回以降の派遣に反映し本事業の更なる促進につなげていきたい。

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